アシスタントナース必見!エイジドケアで使用されるモビリティ補助器具ガイド

AINとは

オーストラリアでアシスタントナースとして働いてみたい。けど、実際どのような環境で働くのかわからない、日本との違いは何か。そんな疑問を、留学前は筆者も持っていました。

少しでも事前情報があれば、不安を軽減する事ができ、実際の現場で自分の知識をすぐに役立てることができます。
今回は、これから留学を控えている方、留学に興味がある方やエイジドケアについて知りたい方に向けて、エイジドケアで主に使用されているモビリティ補助器具を紹介していきます。

高齢者や身体の不自由な方の移動や日常生活を支援する「モビリティ補助器具(Mobility Equipment)」は、介護の現場において非常に重要な役割を果たしています。これらの器具は、利用者の安全性と快適さを確保し、同時に介助者の身体的負担を軽減するために活用されます。特にオーストラリアの介護施設では、安全性と利用者の自立支援を重視した制度設計がなされており、各種補助器具の導入が広く行われています。

今回の記事では、オーストラリアで一般的に使用されている代表的なモビリティ補助器具や移乗機器について、イラストを交えてわかりやすく解説します。これからエイジドケアの実習に入る学生や、現場で働くAIN(アシスタントナース)、またはこれから介護業界を目指す方にとって、実践的な知識が得られる内容になっています。

左からWheel chair、Wheel walker、Walking frame、Walking stick

1. 車椅子(Wheelchair)

  • 用途:歩行が困難または不可能な方の移動手段として使用されます。常に使用する方もいれば、長時間の歩行に不安がある方の一時的な移動手段として使用される場合もあります。

  • 特徴:手動タイプと電動タイプがあり、施設では主に手動式が多く使われています。座面の高さや角度の調整、足置きやアームレストの取り外しが可能なタイプもあり、個々のニーズに合わせてカスタマイズ可能です。

  • 使用場面:室内外での移動、通院、食堂への移動、屋外散歩など。


2. ウィールウォーカー(Wheel Walker)

  • 用途:ある程度の歩行が可能だが、バランスや持久力に不安がある方を支援します。

  • 特徴:4つの車輪、ハンドブレーキ、収納かご、休憩用の座面などを備えています。屋内外での使用に適しており、歩行訓練にも活用されます。

  • 使用場面:買い物や散歩、施設内の長距離移動、運動機能の維持・向上を目的とした場面など。


3. 歩行器(Walking Frame)

  • 用途:筋力低下やバランスの問題を抱える方の歩行を支援します。

  • 特徴:持ち上げて使うタイプと、前脚にキャスターがついて前方に滑らせて使用するタイプがあります。アルミ製で軽量、折りたたみ可能なモデルが多く、収納も便利です。

  • 使用場面:短距離の移動、リハビリ訓練、家庭内や施設内での歩行補助など。


4. 杖(Walking Stick / Cane)

  • 用途:軽度の歩行不安やバランス保持を目的とします。

  • 特徴:1点杖(T字型)から3点、4点支持の多脚タイプまであり、高さ調整やグリップ形状の選択が可能です。滑り止めキャップ付きで安全性も高いです。

  • 使用場面:リハビリ初期、下肢の軽度な弱化、屋外での歩行補助、階段昇降など。


5. シャワーコモードチェア(Shower Commode Chair)

  • 用途:入浴やトイレ動作時の補助として使用されます。

  • 特徴:耐水性のある素材で作られており、シャワー中の姿勢保持、便座付きでトイレへの使用も可能。キャスター付きで移動も簡単、安全性を高めるためのブレーキ機能付きです。

  • 使用場面:入浴時、トイレへの移乗時、姿勢保持が難しい方への排泄支援など。


6. 移乗補助機器(リフター類・移乗用具)

移動補助に加えて、ベッドや椅子から別の場所へ安全に移乗するための専用機器も介護現場で重要な役割を果たしています。以下は代表的な3種類です。

フルホイスト(Full Hoist)

  • 用途:完全介助を必要とする方の全身移乗に使用されます。

  • 特徴:スリングに利用者を乗せて持ち上げ、電動または手動で移動を行います。安全性と安定性に優れており、スタッフの負担も軽減できます。操作を行うときは、安全のため必ず2人で行います。

  • 使用場面:寝たきりの方、座位保持ができない方、複数人介助が必要なケースなど。体重スケールが付属しているものもあるので、簡単に体重測定をする事が可能です。

  • 声かけ例:”I’ll lift you up with the hoist now. Let me know if you feel uncomfortable.”

スタンドアップリフター(Stand-Up Lifter)

  • 用途:自力での立ち上がりが困難だが、ある程度自力で踏ん張ることが出来る方への立位補助として使用されます。

  • 特徴:膝あて、支持ベルト、電動リフト機能が備わっており、利用者の上半身と下半身をしっかり支えながら立ち上がりを補助します。こちらのスタンドアップリフターも2人介助が必要となる補助器具です。

  • 使用場面:トイレ移乗、車椅子移乗、シャワーへの移動、リハビリ目的での立ち上がり練習など。

  • 声かけ例:”Please hold onto the handles and push up gently. I’ll assist from behind.”

サラステディ(Sara Stedy)

  • 用途:こちらも立ち上がり補助器具で、自力で踏ん張りある程度立ち上がることが可能な方へ使用します。主に移乗の際に使用します。

  • 特徴:自立歩行が難しいが立ち上がりが可能な方に適しており、立位保持中の移動をサポートするデバイスです。

  • 使用場面:トイレ誘導、ベッドから椅子への移乗、食事時のチェアへの移動など。

  • 声かけ例:”Can you stand up and place your feet here? I’ll support you as we move.”


7. モビリティエイドの選定とAINの役割

エイジドケアでは、エイジドケアスタンダードにもあるように、すべてのレジデント(利用者)に対して定期的なアセスメント(身体機能の評価)が行われており、その評価に基づいて最も適したモビリティエイドが提供されます。

AIN(アシスタント・イン・ナース)は、日常的なケアを通してレジデントのADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)の変化にいち早く気づく立場にあります。「最近立ち上がるのに時間がかかっている」「歩行がふらつくようになった」などの小さな変化を見逃さず、看護師や理学療法士に適切に報告する義務と責任があります。ケアをする際は、様々な視点で利用者の変化に気付き、一早い報連相ができるよう意識しましょう。

このように、モビリティエイドの適切な活用は、チームケアの一環として機能しており、AINの観察力と判断力、報告力が質の高い介護の基盤を支えています。日々の記録や報告を通じて、より安全で尊厳のあるケアの実現に寄与することが求められます。


おわりに

今回の記事では使用頻度の高いモビリティエイドのみを取り上げました。実際の現場では他にも沢山のモビリティエイドを扱います。
CertificateⅢを取るにあたって学校ではしっかり使用方法や注意点などを教えてくれますので、ご安心ください。

本ガイドで紹介したモビリティ補助器具および移乗機器は、単なる道具ではなく、利用者の尊厳と自立を守るための重要なケアツールです。使用する際には、それぞれの器具の特徴と適応状況を理解し、正確かつ安全に取り扱うことが不可欠です。

介護の現場では、こうした知識を持つことで、より安心して仕事に取り組むことができ、利用者からの信頼も深まります。これから介護職に就く方、実習に参加する学生の皆さんにとって、この情報が現場での行動指針となり、よりよいケアの提供につながることを願っています。

あなたの介護の一歩を、応援しています。

ケアの際に使える英語フレーズについてはこちらから

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