
このページでは、オーストラリアの介護現場で実際によく使われる英語のフレーズを紹介しています。ここで紹介しているのは、筆者自身が現場で頻繁に使っている、実践的な英語表現ばかりです。介護の授業を少し受けたことがある人や、これから介護の仕事にチャレンジしたい人に向けて、わかりやすくシンプルな言葉でまとめました。
介護の現場では、利用者との会話、職場のスタッフ同士のやりとり、看護師への報告、そして電話対応など、さまざまな場面で英語が必要になります。このページにあるフレーズを覚えておくと、実習や職場で安心してコミュニケーションがとれるようになります。
利用者さんとの会話で使えるフレーズ
● 機械を使うときの説明(リフトなど)
オーストラリアの介護施設では、職員の腰や肩の負担を減らすために、利用者さんをベッドや椅子に移す際にリフトなどの移乗補助機器を使うのが一般的です。そのため、これらの機械に関する説明は、利用者さんの安全を守り、機械使用時の不安を軽減する為にとても重要な英語表現になります。
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“I’m going to use a lifting machine to help you move safely.”
(安全に動いていただくために、リフトを使いますね) -
“I’ll explain what I’m doing step by step, okay?”
(何をするか順番に説明しますね) - “The machine will lift you up now.”
(機械で体を持ち上げますね) - “The machine will lower you down gently.”
(機械で体をゆっくり下げますね) - “Staff are supporting you, so you’re safe.”
(スタッフが体を支えているので安心してください) - “Please hold onto this.”
(ここをつかんでください) - “You can let go now, thank you.”
(もう手を離して大丈夫ですよ) - “Please lift your legs so I can remove the machine.”
(機械を取り除くので足を上げていただけますか)
● ベッドの上で着替えをするとき
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“I’ll help you get changed while you’re lying down.”
(ベッドに寝たままお着替えをお手伝いしますね) -
“Can you please lift your arm?”
(腕を少し上げていただけますか?) -
“I’m going to roll you gently to the side.”
(体をゆっくり横向きにしますね) - “Please lift your hips a little.”
(少し腰を持ち上げてください) - “Could you bend your arm (or leg)?”
(腕(足)を曲げていただけますか?) - “Please stretch out your arm (or leg).”
(腕(足)を伸ばしてください) - “I’ll support your body. Please turn to face me.”
(体を支えますので、こちらを向いてください) - “Please lie on your back.”
(仰向けになってください) - “Are you comfortable like this?”
(この姿勢で楽ですか?)
● 姿勢を変えるとき
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“Please sit back in the chair.”(椅子に深く座ってくださいね)
- “Please sit a little closer to the edge of the chair.”
(もう少し浅く座ってください) - “Could you move a bit to your right (or left) side on the chair?”
(椅子の右(左)側に少し寄っていただけますか?) - “Please lean forward.”
(前かがみになってください) - “Please lean back and relax.”
(後ろにもたれてリラックスしてください) - “Please spread your feet a little.”
(足を少し開いてください)
スタッフ同士の会話で使えるフレーズ
● 手伝いや確認、報告など
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“You can go ahead and take your break now.”
(先に休憩に行ってくださいね) -
“She doesn’t want a shower yet. I’ll ask again in 15 minutes.”
(まだシャワーは希望していないそうなので、15分後にもう一度聞いてみます) -
“Is there anything I can help you with?”
(何か手伝えることはありますか?) -
“He only ate about two-thirds of his meal.”
(彼は食事を3分の2ほど食べました)
看護師への報告・相談・確認で使えるフレーズ
アシスタントナースとして働く際は、ただ日常動作を助けるだけではなく、利用者さんのより良い生活を支えるために、さまざまな視点からしっかりと観察することが大切です。ここで紹介するフレーズは、そうした変化や気づきを正しく伝えるために役立つ表現ばかりです。アシスタントナースは、看護師や他のスタッフよりも利用者さんと長く時間を過ごすため、体調や様子の変化に一番早く気づける立場です。その「気づき」を看護師へ報告するかどうかで、利用者さんの安全や健康、そして生活の質が大きく変わることを、私たちは常に意識しておく必要があります。
● 利用者のようすや変化を伝える・相談・確認する
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“She seems more confused than usual today.”
(今日はいつもより混乱しているように見えます) -
“His temperature is 38.2 degrees and he looks flushed.”
(体温は38.2度で、顔が赤くなっています) -
“Mr. Smith had a fall in the hallway.”
(スミスさんが廊下で転倒しました) -
“There is a bruise on her hip, but she says there’s no pain.”
(腰にあざがありますが、痛みはないようです) -
“Her blood pressure is low and she feels dizzy. Could you please check her condition?”
(彼女の血圧が低く、ふらつきを訴えているので診察をお願いします) -
“She says she has symptoms of low blood sugar. Could you check her blood glucose level?”
(彼女が低血糖の症状を訴えています。血糖値の測定をお願いします) -
“She is asking about her medication. Could you please explain it to her?”
(彼女が薬について尋ねています。説明をお願いできますか?) -
“Is she supposed to stay in bed, or is she allowed to move?”
(彼女の安静度はベッド上ですか?移動可能ですか?) -
“She coughs while drinking. Do you think she might need thickened fluids?”
(飲水の際に咳き込みがあります。とろみ剤が必要かもしれません) -
“Her ADL has declined, and it’s difficult to assist without equipment. Could we request a reassessment of her ADL?”
(彼女のADLが少し下がっており、機械なしでの介助が難しいです。再評価をお願いできますか?) -
“She hasn’t had a bowel movement for several days and appears constipated.”
(数日間排便がなく、便秘が続いています) -
“She says she has diarrhea.”
(下痢を訴えています)
シフト交代・申し送りのときに使えるフレーズ
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“She hasn’t had her medication yet.”
(彼女はまだ薬を服用していません) -
“He ate about half of his lunch.”
(昼食は半分ほど食べました) -
“Please remind her to drink water regularly.”
(こまめに水分補給を促してください) -
“She has a family visit scheduled at 3 PM.”
(午後3時にご家族の訪問予定があります) -
“She was repositioned at 2 PM.”
(午後2時に体位変換を行いました) -
“He complained of back pain this morning.”
(今朝、背中の痛みを訴えていました) -
“I’ve already told the nurse about 〇〇.”
(〇〇についてはすでに看護師に伝えました)
電話対応で使えるフレーズ
電話対応は、相手の表情や様子が見えないため、日本語であっても聞き取りづらく緊張しやすい場面ですよね。英語での電話となると、さらに苦手意識を持つ方も多いと思います。もちろん、私自身もそのうちの一人です。
実際の現場では、相手の言っていることが一度で聞き取れないことはよくあります。でも大切なのは、焦らず落ち着いて聞き返すこと、そして自分の言葉で確認することです。聞き返すことで怒る人はほとんどいません。むしろ、正確に理解しようとする姿勢は信頼につながります。ぜひ自信を持って対応してみてください。
- “Good morning, this is 〇〇 from Level 1.”
(おはようございます。こちらは1階の〇〇です) - “Sorry, could you repeat that?”
(すみません、もう一度お願いできますか?) - “I didn’t catch that. Could you say it in a simpler way?”
(よく聞き取れませんでした。もっとわかりやすく言っていただけますか?) - “Just to confirm, are you saying she already had her medication?”
(確認ですが、彼女はすでに薬を飲んだということですか?) - “I can’t talk right now. Can I call you back in a few minutes?”
(今手が離せないので、数分後にかけ直してもいいですか?)
よく使う単語20選(覚えておくと便利!)
介護現場での英語表現をスムーズに使えるようになるには、基本的な単語を覚えることが大切です。この単語集では、体の部位や症状、ケアに関する言葉など、現場でよく登場する語彙をカテゴリ別にまとめています。フレーズと一緒に覚えて、日々のコミュニケーションに役立てましょう。
● 身体の部位
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arm(腕)
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leg(脚)
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back(背中)
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hip(腰)
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shoulder(肩)
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knee(ひざ)
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foot(足)
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hand(手)
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neck(首)
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head(頭)
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wrist(手首)
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ankle(足首)
● 症状・体調変化
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pain(痛み)
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bruise(あざ)
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dizzy(めまい)
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fever(熱)
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nausea(吐き気)
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diarrhea(下痢)
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constipation(便秘)
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swelling(腫れ)
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fatigue(疲労)
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cough(咳)
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sore(痛み、傷)
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wound(傷口)
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redness(赤み)
● ケア関連用語
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pad(パッド)
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shower(シャワー)
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dressing(包帯・処置)
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reposition(体位変換)
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thickener(とろみ剤)
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transfer(移乗)
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mobility aid(移動補助具)
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wheelchair(車椅子)
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hoist(リフト)
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bedpan(差し込み便器)
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incontinence(失禁)
● 介護現場でよく使うその他の単語
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resident(入居者)
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nurse(看護師)
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fluids(水分)
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meal(食事)
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medication(薬)
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assistance(介助)
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shift(勤務・シフト)
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report(報告)
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observation(観察)
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rest time(休憩時間)
● 状態や性格を表す言葉
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calm(落ち着いた)
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confused(混乱した)
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agitated(興奮した・落ち着かない)
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responsive(反応がある)
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unconscious(意識がない)
● その他の便利な単語
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emergency(緊急)
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buzzer(呼び出しベル)
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infection(感染)
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hygiene(衛生)
※ よく使う単語の続きは、今後の記事でくわしく紹介します!

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